2025-04-29
空き家はそのまま所有していると維持費や税金の支出が増えていくため、早めに処分するのが望ましいです。
空き家を処分する際はさまざまな方法を選択できますが、それぞれメリット・デメリットが存在します。
今回は、空き家を更地にして処分する方法、そのまま処分する方法、無償で譲渡する方法についてご紹介します。
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空き家の築年数が古く、そのまま売却するのが難しいほど傷んでいるのであれば、更地にして売却するのがおすすめです。
建物を解体して土地として売却すれば、新築住宅を建てるための土地がほしい方に売れやすい可能性があります。
空き家を更地にするメリットは、建物をそのまま売却するよりも買い手がつきやすくなることです。
築年数が古い空き家は、管理をしっかりしていないと老朽化が進んでしまい、買い手がつきにくくなります。
購入してもリフォームやリノベーションをしなければ住めない、あるいは劣化が進んでいるのであれば買主が見つかりません。
そのため、処分の際は更地にして建物のイメージを払拭したほうが売れやすくなります。
さらに、売却活動中に空き家を狙った放火などの被害に遭いにくくなり、火災などのリスクを軽減できるのもメリットです。
相続によって取得した空き家であれば、相続空き家の3,000万円特別控除を利用して税金を抑えられる可能性があります。
空き家を解体して更地にするデメリットは、解体費用が発生することです。
解体費用は建物の構造によって異なり、木造住宅であれば1㎡あたり約3万円、鉄骨造などであれば約5万円の費用がかかります。
建物が広いほど解体にかかる費用も高くなり、道路の幅、外構、庭石、アスベストの有無によっても費用が変動するため注意が必要です。
また、住宅を解体した土地は固定資産税が約3倍に跳ね上がります。
これは、住宅があることによって本来の固定資産税を軽減して4分の1に抑える軽減措置が適用されていたためです。
空き家を解体した年のうちに売却できれば問題になりませんが、翌年まで売却できずに持ち込むと高額な固定資産税を支払うことになります。
さらに、建物のない更地にすると粗大ゴミなどの不法投棄を受けやすくなる可能性もあるため注意しましょう。
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空き家を処分する方法として、空き家を解体せず建物をそのまま売却する方法があります。
築年数があまり古くなく、立地条件に優れた物件であれば、解体せずそのままの状態でも売却できる可能性があるでしょう。
そのまま空き家を処分する際は、現状渡しの条件を契約書に盛り込んで買主に引き渡します。
空き家をそのままの状態で処分するメリットは、解体費用がかからないことです。
解体費用は建物が広いほどかさむため、そのまま売却できたほうがコストがかからずに済みます。
ただし、建物内に残っている家財については処分する必要があるため注意しましょう。
また、特定空家に指定されない限りは固定資産税が上がることを気にせず売却活動がおこなえます。
ほかにも、解体工事をおこなうとなると時間がかかることにくわえて、近所への挨拶回りなどの手間も必要です。
住宅をそのまま売却すれば、解体工事にかかる時間や手間も減らせます。
空き家を解体せず、建物が建っているまま売却するデメリットは、契約不適合責任を問われる可能性があることです。
契約不適合責任とは、売買契約の際に売主と買主が合意した不動産の状態から契約の履行に至るまで違う状態にしてはならないとする責任です。
空き家を解体せずに不動産を引き渡すと、修繕などをおこなわずに空き家をそのまま引き渡すことになります。
そのため、契約前の重要事項説明で告知していたのとは別の瑕疵が引き渡し後に発覚することも珍しくありません。
事前に告知していなかった瑕疵が発覚すると、それを売主が把握していたかどうかに関わらず契約不適合責任を問われます。
仮にその瑕疵で買主が不利益を被ったとすると、損害賠償請求を受ける可能性もあるため注意しなければなりません。
また、空き家はそのままでは買い手がつきにくい可能性があり、なかなか売れないこともあります。
間取りや広さなど、建物の使い勝手が良くないと購入に至らないためです。
購入してから大規模なリフォームを実施できるかどうかなど、空き家が売れにくい原因になることがあります。
さらに、新築住宅を建てるための土地を購入したい方にとっては、一度建物を解体する必要がある空き家の残った土地は優先順位が低いです。
とくに、その空き家が再建築不可物件に当てはまるケースでは売却が難しくなるでしょう。
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空き家を処分する際は、建物や土地の売却を検討するのが一般的です。
その他、空き家を無償譲渡によって第三者に譲って手放す方法もあります。
無償譲渡とは、対価を受け取らずに空き家や空き地などの不動産を引き渡す方法です。
法律上、このような無償譲渡は贈与と呼ばれ、譲渡とは明確に区別されます。
税金の取り扱いも贈与と譲渡では大きく異なる点に注意が必要です。
空き家を無償譲渡するメリットは、固定資産税や維持管理費の支払いから解放されることです。
空き家を所有している限り、固定資産税の支払いや建物を管理する責任が生じます。
売却が成立しない限りは支払い続ける必要がありますが、無償譲渡が成立すればそれ以降支払う必要がありません。
維持管理をせずに放置すると特定空家に指定され、行政からの指導やペナルティを受ける可能性があります。
そうなる前に空き家を処分できるのであれば、無償で譲っても構わない方もいるでしょう。
家屋が倒壊するようなことがあれば、近隣住民の方ともトラブルになる可能性があります。
空き家を譲った相手が家屋を適切に管理してくれれば、そのようなトラブルを回避できるでしょう。
さらに、無償譲渡であれば利益が発生しないため譲渡所得税を支払わずに済みます。
空き家を無償譲渡で処分するデメリットは、売却であれば受け取れた対価を受け取れなくなることです。
また、売却であれば不動産会社が仲介に入りますが、無償譲渡では自力で譲渡を受ける方と交渉する必要があります。
そのため、契約条件をめぐって争いになったり、手続きが煩雑になったりする可能性があります。
手続きを司法書士に依頼するケースでは、報酬を支払わなければなりません。
さらに、無償で譲渡をおこなった側には税金は発生しませんが、譲渡を受けた側は贈与税を支払う必要があります。
専門知識がない方同士で不動産譲渡に関する手続きを進めると、本来告知しなければならなかった事項が漏れることもあるため注意が必要です。
とくに、告知事項については契約書や重要事項説明書などを作成し、書面に残しておく必要があるでしょう。
無償譲渡であっても、空き家を引き取ってくれる方が見つかるとは限らない点にも留意する必要があります。
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空き家が古くてリフォームが難しければ更地にしたほうが処分しやすいですが、条件次第ではそのまま売却できる可能性もあります。
解体せずにそのまま売却する際は、契約不適合責任に問われる可能性がある点に注意が必要です。
無償譲渡すると、固定資産税や維持管理費の支払いから解放されますが、譲られる側に贈与税が発生する点に気を付けましょう。