家族信託の進め方は?契約や登記の手続きについても解説

2025-06-24

家族信託の進め方は?契約や登記の手続きについても解説

高齢化や認知症への備えとして、家族信託に関心を持つ方が増えています。
トラブルのないスムーズな資産管理を実現するためには、正しい知識を持つことが欠かせません。
あらかじめ手続きの流れや必要書類を確認しておくことで、安心して準備を進められるでしょう。
この記事では、家族信託のやり方について、3つのポイントに分けてわかりやすくご紹介いたします。

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家族信託のやり方と手続きの流れ

家族信託のやり方と手続きの流れ

家族信託は、相続や財産管理の有効な手段として注目されています。
近年は、認知症対策として、50代から準備を始めるケースも増えています。
また、適切な手続きをおこなえば、将来のトラブルを大幅に減らせるでしょう。
以下では、契約書作成から口座管理まで、順を追って解説していきます。

信託契約書の作成と公正証書化

家族信託の第一歩は、信託契約書の作成です。
契約書には、目的・財産・当事者・期間・管理方法を明確に記載します。
また、専門のひな形を使えば条項の漏れを防ぎやすく、修正も迅速におこなえます。
さらに、証拠力を高めるため、多くの場合は公証人役場で公正証書にします。
なお、作成時は専門家に相談し、内容の不備を防ぐと安心です。
公正証書化では、委託者と受託者が公証人の前で内容を確認し署名押印し、本人確認書類や印鑑証明書、財産資料が必要です。
委託者が高齢の場合は、意思能力の確認を公証人がおこなうため、契約の有効性がより確実になります。
公正証書の作成費用は財産額に比例して変動しますが、数万円から十数万円が目安です。

信託財産の登記で不動産を移す手続き

不動産を信託する場合は、所有権移転登記と信託登記をおこない、受託者名義へ変更することで信託の存在を公示します。
ただし、登記を怠ると対抗要件を欠くため、信託財産が差し押さえられるリスクもあります。
この登記手続きの際には、登録免許税という税金を納付します。
注意すべき点は、この登録免許税が2つの登記手続きに対してそれぞれ発生し、その合計額を支払う必要があるということです。
まず、不動産の名義を委託者(元の所有者)から受託者へ移すための「所有権移転登記」に税金がかかり、それに加えて、その不動産が信託財産であることを公示するための「信託登記」にも税金がかかります。
このうち、信託登記にかかる税金が固定資産税評価額の0.4%です。
正確な税額は不動産の評価額や種類によって異なるため、司法書士などの専門家へ事前に見積もりを依頼すると良いでしょう。

信託専用の口座を開設する必要性

信託財産と個人資産を混同しないよう、受託者名義で信託専用口座を開設します。
金融機関によっては「信託口」の取り扱いがないため、対応可否を事前に確認してください。
信託口座は、都市銀行のほか一部ネット銀行でも取り扱いが始まっています。
また、口座の取引履歴は、運用報告や信託終了時の分配根拠になるため、管理が容易になります。
さらに、取引明細は年度ごとにファイリングしておくと、税務調査にも対応しやすくなるでしょう。
くわえて、口座残高と帳簿を定期的に照合し、報告書を受益者に開示することで信頼性が向上します。
なお、定期報告は年1回以上おこなうと、受益者の安心感につながります。

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家族信託の手続きに必要な書類

家族信託の手続きに必要な書類

家族信託では、段階ごとに提出書類が変わるため、事前に一覧を把握しておくことが大切です。
ここでは、主な書類と準備のタイミングをまとめます。
役所発行書類の多くは、取得後3か月以内という有効期限がある点に注意しましょう。
また、準備不足はスケジュール遅延につながるため、チェックリスト化が欠かせません。
そのため、事前に必要な書類を洗い出し、取得順を決めておくことが効率化の鍵です。

手続きのタイミングと準備時期

手続きは、契約書作成→公正証書化→登記→口座開設の順で進むため、段階ごとに必要書類をリスト化し取得に日数がかかるもの(戸籍謄本や固定資産評価証明書など)は早めに申請しましょう。
これらの書類には、発行日から有効期限があるため、取得時期に注意が必要です。
とくに、大型連休や年末年始は役所が閉庁しているため、余裕をもって手配する必要があります。
また、取得した書類は、スキャンして共有フォルダに保管すると、家族間で確認しやすくなります。
なお、期限切れの書類は再取得が必要となるため、提出前に再度確認しましょう。
各段階の期限をカレンダーに落とし込み、家族で共有すると抜け漏れを防げます。

必要書類一覧を確認する

必要書類は、大きく分けて次の3種類です。

  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
  • 印鑑証明書と実印
  • 不動産を信託する場合の登記事項証明書や固定資産評価証明書
金融資産を信託する場合は、残高証明書や約款も追加で求められることがあります。
また、一覧表を作成し、チェックボックスを設けると漏れを防げます。
なお、原本提出が必要な場合に備え、複数部取得しておくと手続きが滞りません。

不動産登記に必要な書類は?

登記申請には、不動産の権利証または登記識別情報、信託契約書、委託者の印鑑証明書が必要です。
権利証を紛失している場合は、司法書士に相談し、事前通知制度など代替手続きを検討します。
また、事前通知制度では、法務局から旧所有者へ確認書類が郵送されるため、手続き完了まで時間がかかります。
さらに急ぐ場合は、資格者代理人による本人確認情報の提供を選択する方法もあります。
いずれの方法でも追加費用が発生するため、早い段階で見積もりを取りましょう。
なお、書類の不足や記載誤りは補正通知の原因となり、再提出には余計な日数がかかります。

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家族信託のやり方で注意すべきポイント

家族信託のやり方で注意すべきポイント

家族信託を活用するには、制度への理解と丁寧な設計が欠かせません。
とくに、家族間の合意や他制度との比較を怠ると、後々のトラブルにつながります。
ここからは、実務で見落としやすいポイントを整理します。
とくに、長期運用を前提とする場合は、途中での契約見直しも視野に入れましょう。

家族全員の理解と合意が不可欠

まず、信託の内容を家族全員で共有し合意を取ることが最重要です。
契約前に家族会議を開き、目的・役割・終了時の取り扱いを確認して不信感を防ぎましょう。
また、合意形成の段階で議事録を残しておくと、後日の証拠になります。
さらに、受益者が未成年の場合は、とくに保護者の理解を得ることが大切です。
なお、争族を避ける観点から、公平性の確保と透明な情報共有を心がけましょう。

契約前に決めておくべき重要事項

契約前に、「何のために信託するか」と「どの財産を対象にするか」を明確に決めます。
目的と財産範囲が定まると、管理方法や処分権限も自然に整理できます。
たとえば、認知症対策なら生活費の支払い手続きを優先し、投資性資産は含めないなどメリハリが必要です。
また、目的が複数ある場合は、段階的に追加信託する方法も検討できます。
さらに、財産目録を作成しておくと、受託者の管理が容易になります。
なお、目的を共有することで、受益者の生活設計や納税計画も立てやすくなります。

家族信託以外の方法との比較も検討

家族信託は、遺言書・生前贈与・成年後見制度など他の手段と併用や比較が必要です。
それぞれの制度の特徴を踏まえ、目的に合った最適な組み合わせを専門家と検討してください。
また、遺言書は、最終意思の表明手段として信託と併用するケースが増えています。
なお、成年後見は、強制力が高い一方で、費用負担が継続的に発生する点がデメリットです。
制度ごとの長所短所を一覧にし、家族と専門家で比較検討すると判断が早まります。
さらに、税負担や管理コストの試算をおこなうことで、制度選択の判断材料がより具体的になります。

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まとめ

家族信託を活用することで、相続や財産管理に柔軟な対応ができ、将来への備えとして有効です。
信託契約の締結や登記、専用口座の開設など、必要な手続きを順序立てて進めることが求められます。
関係者全員で十分に話し合いをおこない、他の制度と比較しながら最適な方法を選ぶことが大切です。

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