2025-08-19

相続した不動産を売却する際には、売却時期によって税金の負担が大きく異なることがあるため注意が必要です。
とくに「相続空き家の特例」や「取得費加算の特例」は、相続から3年以内に売却することが重要なポイントです。
これらの特例を活用すれば大きな節税につながりますが、適用条件を正確に理解しておく必要があります。
本記事では、相続不動産を売却する際に活用できる2つの特例制度とその注意点について解説いたします。
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この特例を正しく活用するためには、制度の「仕組み」「適用条件」「手続きの流れ」という3つのポイントを理解する必要があります。
ここでは、それぞれの項目を順に解説いたします。
相続空き家の特例とは、被相続人が住んでいた空き家を相続し、一定の要件を満たしたうえで売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。
この特例を適用すれば、仮に譲渡所得が3,000万円以内であれば課税されずに済みます。
この特例は、相続税の軽減とは異なり、売却時の利益に関する控除であるため、相続時には適用されません。
また、控除できるのは空き家1件のみであり、複数の物件には適用されないため注意が必要です。
控除額が3,000万円に満たない場合は、その実額までが控除対象となります。
さらに、家屋と敷地を合わせた売却価額が1億円以下であることも条件です。
たとえば売却価格4,500万円、取得費1,000万円、譲渡費用200万円の場合、通常の譲渡所得は3,300万円ですが、特例を使えば3,000万円控除後の課税対象は300万円となり、税額は数百万円下がる可能性があります。
控除は,譲渡所得から直接差し引く方式のため、給与所得や配当所得と損益通算する必要がなく、手続きが簡便です。
対象は、被相続人が亡くなる直前まで1人で居住していた、昭和56年5月31日以前建築の旧耐震基準一戸建てで、相続後は事業・賃貸物件・居住に供されていないこと、かつ売却価額が1億円以下であることです。
分譲マンションなど、区分所有建物は対象外です。
売却時は、更地化または耐震改修が必要で、証明書を取得します。
旧耐震基準の建物は、震度6強の地震に耐えられない可能性があり、改修費用が高額なときは更地売却を選ぶと買い手が見つかりやすく、売却期間を短縮できることがあるでしょう。
なお、耐震改修の補助金制度を利用すれば数十万円〜数百万円程度の補助が受けられる自治体もあります。
土地と建物を同一の相続人が取得していることが前提で、譲渡期限は2027年12月31日までです。
この特例を利用する場合、売却翌年の確定申告期間に、譲渡所得の内訳書や売買契約書、登記事項証明書、戸籍謄本、被相続人居住用家屋等確認書、耐震基準適合証明書(以下、証明書)などを提出します。
被相続人居住用家屋等確認書は、市区町村で申請し、取得までに数週間かかるため、早めの準備が重要です。
証明書類に不備があると控除が受けられず、後日修正申告となるケースもあるため、税理士に書類確認を依頼すると安心です。
申告書の控えや添付資料は、5年間保存義務があるため、電子データでもバックアップを取っておきましょう。
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相続不動産の売却で活用したいもう一つの特例が、「取得費加算の特例」です。
ここでは、その「仕組み」「適用要件」「売却期限」という3つのポイントを順に解説します。
取得費加算の特例は、相続や遺贈で取得した資産を売却する際、対応する相続税を取得費に加算し、譲渡所得を圧縮して課税額を軽減する制度です。
加算できるのは相続税の全額ではなく、該当不動産に対応する部分のみです。
相続財産が複数ある場合は、相続税を資産ごとに按分し、路線価や固定資産税評価額を基準に計算します。
加算後の取得費は、譲渡費用とも合算されるため、最終的な課税所得は大幅に縮小します。
対象は、相続税を納付した相続人に限られ、相続税を納めていない場合は利用できません。
要件は、①相続または遺贈で資産を取得した個人であること、②相続税を納付していること、③相続税の申告期限翌日から3年以内に譲渡することの3点です。
期限を過ぎると、適用されません。
三要件は、納税を前提とした制度設計で、贈与や法人取得は対象外です。
要件を満たしても確定申告を怠ると無効になるため、忘れずに手続きしましょう。
これらは、課税の公平性を保つための条件です。
相続開始から3年10か月以内に、売却を完了させる必要があります。
譲渡契約日ではなく、決済完了日が期限判定の基準となるため、繁忙期は司法書士や金融機関の手続き遅延に注意してください。
遺産分割や名義変更など手続きが多いため、専門家と連携し、逆算したスケジュール管理が不可欠です。
金融機関にローン残債がある場合は、抹消手続きも必要で、完了に1〜2週間を要する点も考慮しましょう。
引渡し当日に書類不足が判明すると期限内決済ができず、特例が無効となる恐れがありますので、事前チェックリストの活用が安全です。
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相続した不動産を有利に、そしてスムーズに売却するためには、いくつかの重要な注意点があります。
ここでは、「名義変更(相続登記)」「税金の特例の選択」「スケジュール管理」という3つのポイントに絞って解説いたします。
売却には、法務局での名義変更(相続登記)が必須です。
戸籍謄本や遺産分割協議書などの書類準備に時間がかかるため、司法書士へ依頼するケースが一般的で、費用相場は10万円~20万円程度です。
2024年4月から相続登記が義務化され、3年以内に手続きを終えないと、10万円以下の過料が科される恐れがあります。
登記を怠ると共有者の死亡や、行方不明で売却が長期停滞することもあり、早期対応が重要です。
不動産会社からは、名義変更完了後でないと媒介契約を締結できないと言われるケースが大半です。
取得費加算と空き家の3,000万円控除は同じ物件に併用できません。
利益が大きい場合は空き家控除が有利になり、赤字で売却する場合は取得費加算が向くなどケースバイケースです。
試算には譲渡費用や相続税の結果を反映したキャッシュフロー表を用いると、選択肢を比較しやすくなります。
どちらが有利かを試算し、税理士に相談しましょう。
特例には期限があり、準備に数か月かかることもあります。
不動産市場は金利や地域需要で変動し、先延ばしによる値下げリスクもあります。
買い替えを検討している場合は、新居購入の資金計画とも連動させると資金繰りがスムーズです。
相続発生後は、早期に書類収集や査定依頼を始め、期限と市場動向を総合的に見て最適な売却時期を判断しましょう。
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相続した不動産は、3年以内に売却することで適用される特例を活用すれば、大きな節税効果が期待できます。
「相続空き家の特例」と「取得費加算の特例」は併用できず、それぞれに異なる条件があるため慎重な判断が必要です。
名義変更や申告手続きは早めに進めることで、不要なトラブルを避け、スムーズに売却を進めることができるでしょう。

西宮不動産売却サポート
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