2024-04-21
高額の取引となる不動産売却の際に気になることの1つに、譲渡所得税がいくらかかるのかという点があります。
譲渡所得税とは、所得税、特別復興所得税、住民税の総称のことで、これらの課税額を計算する元となるのが譲渡所得の金額です。
そこで今回は、不動産売却時における譲渡所得の計算方法はどのようにすれば良いか、経費や減価償却についても解説します。
兵庫県西宮市、尼崎市、伊丹市で不動産売却を検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。
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まず譲渡所得がどのようなものかということと、計算する方法についてご説明します。
所得税は、給与所得や不動産所得(家賃収入)などの各種所得金額を合計して、その年の総所得金額を求め、これに課税される税額を計算します。
しかし、不動産を売却して生じた譲渡所得については他の所得と合算せず、単独で税額を計算する分離課税方式がとられています。
譲渡所得は納税者が確定申告で申告することが必要ですが、諸経費を差し引いたり控除の特例を適用することで、納税額が0円となる場合も多いです。
また、大きな売却損が出た場合は損益通算と言って、ほかの所得と合算して所得税の控除を受けることも可能です。
これらを計算する元となる不動産の売却益のことを不動産の譲渡所得、実際に税率を掛けて税額を計算する譲渡所得を課税譲渡所得と言い、以下のように算出します。
譲渡所得 = 譲渡収入金額−(取得費 + 譲渡費用)
課税譲渡所得 = 譲渡所得 −(特別控除)
譲渡所得税=課税譲渡所得×税率
控除の特例の代表例は、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除や、同じく3,000万円が控除となる相続時の空き家特例、10年超所有の軽減税率などです。
各特例には適用のために要件があるほか、適用する年度によって内容が変更、あるいは適用対象外となることがありますので、必ず最新の情報を確認しましょう。
譲渡所得の税率は、所得税、特別復興所得税、住民税の3つの税率の合計で表示され、不動産の保有年数によって以下の区分に分けられています。
5年以下(短期):39.63%
5年超(長期):20.315%
10年超(軽減税率の特例):14.21%
なお、相続した物件を売却した場合の所有期間は、被相続人(亡くなった方)の所有期間を含めて計算することになります。
所有期間10年超の軽減税率の特例は、6,000万円まで適用され、6,000万円を超える部分の所得は20.315%の税率となります。
譲渡所得の経費は、不動産を取得する際にかかったコストである取得費と、このたび不動産を売却するためにかかったコストである譲渡費用に分けられます。
取得費のうち建物の部分は、経年償却分を建物構造と築年数で定められた減価償却費を差し引き、計算します。
取得費や譲渡費用は、何でも計上できるわけではなく、かかったコストに含めて良いものと、含まれないものがあるため、次章でそれをご説明します。
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売却した物件を入手した際の経費である取得費の対象となるものをご説明します。
物件を購入した際に不動産会社に支払った仲介手数料がある場合は、取得費に含まれるため、計上できます。
このほか、売買取引に関連して支払ったお金として、元の所有者との間で日割り清算をおこなった取得年の固定資産税は、取得費に含むことができます。
少ないケースではありますが、契約解除して他の不動産を取得するために買主が支払った違約金も、取得費にできます。
また、競売物件や一部を賃貸していた物件などを取得した場合、立退きのために支払ったお金や、所有権取得のための訴訟費用は取得費となります。
そのほか、建物付きの土地を取得したあとに建物を取り壊した場合の取り壊しの費用も、取得費の対象です。
取り壊しについては、購入後約1年以内に建物を取り壊した場合に、取得費に計上できるという条件がありますので注意しましょう。
購入時に建物を新築したり、直したりした費用も取得費です。
また、建物だけではなく土地の造成や外構の工事費用なども、取得費に含まれます。
ただし、前述のように建物の取得費用からは減価償却費を差し引いて計上する必要があります。
たとえば木骨モルタル造の建物の耐用年数は30年間でゼロとなり、年間の償却率は0.034というように設定されており、以下のように計算します。
減価償却費 = 取得価額 × 0.9 × 償却率0.034 × 経過年数33年以内
住宅ローン関連では、建物引渡し前までの住宅ローン金利、住宅ローンの設定手数料、保証料などは取得費に含めます。
登録免許税、不動産取得税、印紙税などの各種税金のほか測量費なども計上できます。
逆に取得費に計上できないものとして、以下に注意してください。
登記などの司法書士への報酬、入居後の修繕費や住宅ローン金利、団体信用生命保険料、火災保険料、引っ越し費用などは取得費に含まれません。
取得費は過去の話であることが多く、領収書ほか支払いの証跡を集めるのが大変ですが、取得費全般が不明な場合、売却価格の5%を概算取得費として計上することもできます。
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今回物件を売却した際の経費である、譲渡費用の対象となるものをご説明します。
仲介手数料のほか、違約金、立ち退き料など、取得費に計上できた項目は譲渡の際にも経費として認められます。
譲渡費用の場合の違約金とは、さらに有利な条件の買主との契約のために、元の売買契約を破棄した際の違約金のことを指します。
細かい違いですが、譲渡費は不動産の売買にかかった直接的な費用になるため、居住中の固定資産税は計上できず、同様に居住中の修繕費なども譲渡費用にはなりません。
一方で、このたびの売却のための付加価値を付ける意図でおこなったリノベーションなどは譲渡費用に計上できることとなっており、その違いには注意が必要です。
通常の居住のためにマイナスの状態を補修する工事の費用については、譲渡費用の対象外とするようです。
土地売却の際も、建物の取り壊し費用は譲渡費用として計上できます。
あわせて、建物を壊すことによって生じる損失額も、譲渡費用です。
土地の権利が借地権であった場合、借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料は譲渡費用の対象です。
印紙税、登録免許税などの税金も譲渡費用です。
前述のように譲渡費用に計上できないものとして、不動産の居住中の維持や管理のためにかかった費用のほか、売却代金の取立てのための費用などは認められません。
住宅ローンではなく現金払いの約定で、買主の支払いが遅れた場合などは要注意です。
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不動産売却時における譲渡所得の計算方法はどのようにすればよいか、経費や減価償却についても解説しました。
このように、正しい知識や不動産会社のサポートにより譲渡所得を正しく把握することで、節税が可能になる点は売却の際の大きなポイントです。
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