空き家にかかる固定資産税の計算方法と特定空家について解説

2022-09-13

空き家

空き家にかかる固定資産税の計算方法と特定空家について解説

この記事のハイライト
●空き家は持っているだけでも固定資産税が課税される
●特定空家に認定されると固定資産税の控除がなくなり高くなる
●特定空家の解除や売却などの対策で節税できる

不動産を所有していれば固定資産税が課税されますが、空き家に関しては特定空家に認定されると固定資産税の負担がとても大きくなることもあります。
今回は空き家の固定資産税について、計算方法や節税する方法などを解説します。
兵庫県西宮市、尼崎市、伊丹市やその近隣で空き家を所有している方は記事を読んで特定空家の条件や計算方法などを理解しておきましょう。

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空き家の固定資産税に関わる特定空家とは?

空き家の固定資産税に関わる特定空家とは?

固定資産税は空き家でも住宅でも不動産ならば平等に課税されます。
不動産を所有しているだけで課税義務が発生するため、その建物を利用していなくても固定資産税は支払わなければなりません。
固定資産税は毎年1月1日に不動産を所有している方に対して、5月から6月ごろに納税通知書と納付書が送られ、一括または4回に分けて納税します。
もし、納税を怠ると、固定資産税の対象の不動産が差し押えられ、その後も滞納が続くと競売にかけられてしまうこともあります。
固定資産税は仮に自己破産しても納税義務は免除されないので、必ず支払いをする必要があります。
固定資産税には「住宅用地の特例」があり、敷地のうえに建物が建っていると土地分の固定資産税が控除されます。
その控除額は大きく、建物が建っているだけで土地の固定資産税評価が6分の1になるので、空き家でも建物はそのままにしたほうが良いとされています。
しかし、平成26年に施行された空家等対策特別措置法により、特定空家に認定されてしまうと、住宅用地の特例が受けられなくなりました。

空家等対策特別措置法とは

近年では空き家が増え続けていて、なかには管理されていないことで近隣に迷惑をかけるような空き家が存在することも事実です。
そういった空き家をなくすために空家等対策特別措置法が施行され、政府や行政による空き家対策がされるようになりました。
この法律では、管理されず近隣に悪影響を与える空き家を「特定空家」として自治体が指定し、自治体からの助言や指導、勧告などをおこないます。
勧告を受けると、その翌年に住宅用地の特例の対象から外れ、固定資産税が増額されます。
特定空家は以下の条件で認定されます。

  • このまま放置すれば建物が倒壊する恐れがある
  • ゴミ屋敷状態で、虫や悪臭により周辺に害を与えている
  • 建物の外観が悪く、周囲の景観に悪影響を与えている
  • 庭木が周囲の通行を邪魔していたり、倒木や落石などの懸念があって近隣の安全を保全できない
  • 侵入者や放火の危険など犯罪行為の対象になる恐れがあり、近隣の安全な生活を脅かす恐れがある

これらのなかでひとつでも条件を満たすと特定空家に認定されてしまい、固定資産税が増額されます。

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空き家にかかる固定資産税の計算方法

空き家にかかる固定資産税の計算方法

空き家の固定資産税はどのように計算するのでしょうか。
固定資産税は固定資産税評価額に税率である「1.4%」をかけて計算します。

固定資産税の控除について

固定資産税の「住宅用地の特例」の控除は敷地面積によって変わります。
住戸1戸につき200㎡までの敷地部分は固定資産税評価額が6分の1で計算されます。
200㎡を超え、建物の床面積の10倍までの敷地部分は、固定資産税評価額が3分の1で計算されます。
両方とも建物に対する控除はなく、土地に対する控除です。
住宅が建っていることで、以上の控除を受けられます。
土地評価は2,400万円、建物評価を500万円、土地面積を200㎡として計算してみましょう。

  • (土地評価)2,400万円×6分1=400万円
  • 400万円×1.4%(一般的な固定資産税の税率)=5万6,000円
  • (建物評価)500万円×1.4%=7万円
  • 土地+建物=5万6,000円+7万円=12万6,000円(固定資産税年額)

控除した場合の固定資産税はこのようになります。

特定空家の場合の固定資産税計算方法

特定空家の場合には住宅用地の特例が適用されないので、土地に対する控除がなくなります。
同様の条件で計算してみましょう。

  • (土地評価)2,400万円×1.4%=33万6,000円
  • (建物評価)500万円×1.4%=7万円
  • 土地+建物=33万6,000円+7万円=40万6,000円

住宅用地の控除を受けていたときと比べると固定資産税額が28万円高くなります。
仮に建物を解体したとしても土地の33万6,000円の固定資産税はかかるため、住宅用地の控除を請けられる状況に比べて、3倍近い税額になっています。
いずれにしても特定空家に認定されてしまうと、高額な固定資産税を負担することになります。

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空き家の固定資産税額を節税する方法

空き家の固定資産税額を節税する方法

固定資産税を節税するためには次のような方法があります。

親族と話し合い相続放棄する

もし、親が亡くなって空き家になった実家を相続することになる場合、相続人の親族とよく話し合ったうえで、相続放棄することもひとつの方法です。
その後に課税される固定資産税そのものの負担もなくなるので、相続放棄は間違いのない節税方法です。
遺産の内訳に預貯金や不動産などプラスの資産が少なく、負債や利用価値のない不動産などマイナスの資産が多いのならば相続放棄すると良いでしょう。
しかしながら、相続人が複数人いる場合には自分だけが相続放棄することで、他の相続人に迷惑がかかるかもしれません。
相続放棄するならば親族で話し合って、全員で相続放棄するようにしましょう。

特定空家の指定を受けたら解除を目指す

自治体から特定空家の指定を受けたとしても、指定を解除できれば再び住宅用地の控除を受けられ、固定資産税を節税できます。
特定空家の指定解除のためには、空き家を管理するか、空き家を賃貸に出す方法があります。
自分で空き家の管理ができれば問題はありませんが、それが厳しい場合には空き家管理代行などのサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
毎月の費用が必要ですが、家の換気や通水、掃除などを代行してくれるので、管理不足が原因で特定空家に指定されることはないでしょう。
また、特定空家に指定されてしまったとしても、しっかりと管理されていれば特定空家も解除されます。
特定空家に指定された空き家を賃貸に出すことで、解除してもらい節税することも可能です。
建物の状態が良ければ普通に賃貸市場に流すことも可能ですし、親族に格安で貸してしまうのも良いでしょう。
親族が住んでくれれば空き家ではなくなりますし、固定資産税分だけでも回収できる可能性があります。

売却する

将来的に利用する予定もない空き家を持っているのならば、思い切って売却してしまうのはいかがでしょうか。
売却すると固定資産税はかからないので節税にもなりますし、うまく売却できれば売却益も期待できます。
空き家を売却するならば、そのまま古家付き土地として売却するか、解体して更地にして売却する方法があります。
建物が十分に使えるのならば中古住宅として売却するのも良いでしょう。
どの売却方法で進めるにしても、空き家を売却するならば不動産会社に相談し、査定を進めてから方針を考えましょう。
利用しない、所有していても出費や負担だけかかるような不動産は「負動産」とも表現し、持っているだけでは財産ではなく負債となります。
空き家の管理も難しいのであれば売却を検討すると良いでしょう。

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まとめ

固定資産税は不動産を所有していれば課税される税金ですが、空き家の場合は空家等対策特別措置法により、特定空家に指定されてしまうことで固定資産税額が増えてしまいます。
そうならないためにも相続放棄したり、特定空家の指定解除のために管理したり、親族に貸したりすることで節税可能です。
利用する予定がない不動産は売却を検討してみましょう。
兵庫県西宮市、尼崎市、伊丹市やその周辺で空き家を所有している方は西宮不動産売却サポートにご相談ください。
特定空家にならないような対策や、売却活動についてなど空き家のお悩みを解決いたします。

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