2025-01-28
一定額以上の財産を相続する場合、相続税の納付が必要です。
大まかな計算から相続税が発生しないと思っていても、相続する不動産が空き家だと相続税の納付が必要になるかもしれません。
今回は、相続する空き家で相続税がどうなるのか、具体的な相続税額の計算方法と相続税対策を解説します。
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相続する不動産が空き家である場合、一般的な不動産とは考え方が違うことに注意が必要です。
相続したのが空き家でも、亡くなるまで住んでいた不動産と同様に相続税の対象となります。
そして、空き家にかかる相続税は、亡くなるまで住んでいた不動産にかかる相続税よりも高額になる可能性があります。
空き家かどうかによって相続税の負担が変わるのは、小規模宅地等の特例が適用できなくなるためです。
小規模宅地等の特例とは、一定の条件を満たす場合に相続税の負担を減らすものです。
具体的には、亡くなった方が生前住んでいたことが適用条件になります。
相続したのが空き家ではなく亡くなった方が生前住んでいた自宅であれば、土地のなかの330㎡までについては相続税評価額が80%減額されます。
実際の土地の広さよりも少ない広さで計算されるため、土地にかかる相続税が減らせることがメリットです。
しかし、亡くなった方が空き家として所有していた不動産だと、この小規模宅地等の特例は適用されません。
相続した財産が一定金額以下であれば、相続税の納付は必要ありません。
しかし、平成27年におこなわれた相続税の改正により、相続税を納める金額のボーダーラインが下がったことに注意しましょう。
相続税が改正される以前は、総資産額が5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)の基礎控除額範囲内であれば相続税はかかりませんでした。
一方で相続税改正後には、基礎控除額が3,000万円+(600万円×法定相続人の数)へと変わっています。
相続税の改正前は相続税の対象にはならなかったものの、改正後には相続税の対象になる方が増えています。
同じ平成27年の相続税改正では、相続税の最高税率が引き上げられた点にも注意が必要です。
改正前の最高税率は50%でしたが、改正後の最高税率は55%になりました。
高額な不動産など総資産額が大きい相続が発生した場合には納める相続税額が増えるため、あらかじめ正しい認識で相続税の試算をおこなうことが大切です。
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平成27年の相続税改正により、相続税の対象者が増えています。
不動産を相続する予定があるならば、どれくらいの相続税が発生するか計算方法をチェックしてみましょう。
相続税は、基礎控除額を差し引いた課税対象額に決められた税率をかけて求めます。
そのため、相続税を計算するには、まず基礎控除額を計算する必要があります。
例として、亡くなった方の配偶者と2人の子どもが法定相続人となる場合、基礎控除額は3,000万円+(600万円×3人)で4,800万円です。
亡くなった方が1億円の資産を持っていたと仮定した場合、課税遺産総額は1億円-4,800万円の5,200万円になります。
同じく法定相続人が配偶者と子ども2人で、亡くなった方が4,000万円の資産を持っていた場合であれば、基礎控除額の4,800万円より少ないため、相続税の納付は不要です。
基礎控除額を差し引いた課税遺産総額が計算できたら、国税庁が公表している相続税の速算表に当てはめて相続税の総額を求めます。
この相続税の速算表では、課税遺産総額を1,000万~6億円超までの8段階に分類し、それぞれ異なる税率と控除額を定めています。
課税遺産総額が5,200万円の場合、税率は30%で控除額は700万円です。
計算すると、5,200万円×0.3-700万円となり、860万円が相続税の総額です。
国税庁が公表している相続税の速算表は、相続税の総額を計算するためのツールです。
相続人が1人だけであれば速算表で求めた金額をそのまま納めますが、相続人が複数いる場合にはそれぞれの相続人が納める金額を計算する必要があります。
相続人がそれぞれ支払う相続税の金額は、相続税の総額を人数で均等に分けるのではなく、財産の取得割合に応じて決まります。
相続した不動産が空き家であっても、一定の条件を満たす場合には小規模宅地等の特例が適用されます。
小規模宅地等の特例は330㎡以内の土地に対して適用されるため、この範囲内の土地を相続した場合、土地の評価額全体に特例を活用できます。
1億円の土地であれば評価額は2,000万円まで下がり、相続人が1人であっても基礎控除額の範囲内となり相続税はかかりません。
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【保存版】空き家は売るべき?貸すべき?メリット・デメリットを解説
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将来的に空き家を相続する予定がある場合、早めに相続税対策を考えることが大切です。
相続税対策には、相続発生前にできることと相続発生後にできることがあるため、それぞれの内容を確認しましょう。
空き家を相続する場合には負担が大きくなるため、生前に売却を考えてもらうよう所有者に働きかけることが有効な対策です。
現時点ですでに空き家になっている不動産でも、住まなくなってから3年目の年末までに売却できれば、マイホームを売ったときの特例が適用されます。
この特例が適用できる場合、空き家を売却して得た利益にかかる所得税を減らせます。
現時点では所有者が住んでいる不動産であっても、空き家になる見込みがあるなら代わりの家を用意したうえで売却できないか話し合いましょう。
住んでいるマイホームを売却する場合であれば、売却で得た利益から3,000万円を控除できます。
相続発生前に空き家状態となっている不動産があるならば、賃貸物件として活用することが相続税対策です。
空き家を賃貸物件として活用した場合、一定の条件を満たせば、小規模宅地等の特例の対象になります。
相続が発生する3年以内に開始した賃貸事業は対象外ですが、5棟以上など一定の規模があるならば特例の対象となる可能性があります。
賃貸物件として活用している家屋を相続した場合、小規模宅地等の特例で200㎡までの評価額が50%減額されることがポイントです。
空き家であっても、一定の条件を満たす場合には、相続において小規模宅地等の特例が適用されます。
空き家で小規模宅地等の特例が適用される可能性があるのは、持ち家を所有していない賃貸物件に住む方です。
この特例適用の要件としては、亡くなった方に配偶者がいないことや、相続人については相続する不動産を過去から現在に至るまで所有していないことなどが挙げられます。
相続前の売却だけでなく相続後の売却も、相続の負担を減らす対策のひとつです。
平成28年からは、相続で取得した空き家に対して一定の条件を満たす場合、譲渡所得の3,000万円特別控除が適用されるようになりました。
相続発生後に空き家を売却できれば、空き家を維持管理する負担を減らせるだけでなく、特例が適用されることで譲渡所得税の負担を軽減できます。
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空き家にも相続税がかかるのはもちろんのこと、小規模宅地等の特例が適用されず負担が増える可能性があります。
空き家にかかる相続税を計算するには、相続人の数に応じた基礎控除額を算出したうえで、相続税の速算表に当てはめてみましょう。
相続発生前と相続発生後にとれる相続税対策もあわせてチェックし、相続の負担を減らす方法を考えてみてください。
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