2025-02-04
土地を相続する予定がある場合、相続時にどのような費用がかかるか把握しておくことが大切です。
費用のなかでも固定資産税や相続税といった税金は、かかる場合とかからない場合があります。
そこで今回は、固定資産税がかからない土地とはどのようなものなのか、固定資産税がかからない土地に相続税はかかるのか、相続後に土地を処分する方法を解説します。
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固定資産税とは、不動産を所有している方が毎年支払う必要がある税金です。
しかし、なかには固定資産税がかからない土地があります。
固定資産税の金額が低い山林などは、非課税になることがあります。
実際に固定資産税が非課税となるかは、免税点の範囲内かどうかで判断します。
土地の課税標準額が30万円未満の場合は免税点の範囲内となり、固定資産税は不要です。
ただし、同じ市町村内に複数の土地を所有していると、すべての土地の課税標準額を足し合わせることから、固定資産税がかかる場合があります。
複数の土地を所有していたとしても、別の市町村にある場合には足し合わせずにそれぞれが免税点の範囲内かを確認します。
公的な使用を目的としている土地では、固定資産税がかからない場合があります。
具体的には、墓地が公的な使用を目的とする土地となり、固定資産税が非課税です。
また、公共の保有林と国有林についても、公的な性質を持っていることから固定資産税はかかりません。
こうした場所は、地方税法によって性質上固定資産税がかからないとされています。
私道であっても不特定多数の方が日常的にとおる土地は、公的な性質が認められるため、固定資産税が非課税となります。
こうした土地で固定資産税が非課税となる条件は、公共の道路に面していることです。
公共の道路に面している私道で不特定多数がとおる土地は、公共の場所として固定資産税がかかりません。
相続には直接関係ありませんが、国が所有者である土地は固定資産税がかかりません。
具体的な例として挙げられるのは、公立学校・役所・公園です。
また、都道府県や市町村といった地方自治体が所有する土地についても、国所有の土地と同様に固定資産税が非課税となります。
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固定資産税が非課税となる条件を満たす土地を相続した場合、相続税がかかるかどうかについて確認することが大切です。
相続税とは、亡くなった方が所有していた全財産を合算したうえで、その金額に対して課せられる税金です。
そのため、課税標準額が30万円未満など固定資産税のかからない土地であっても、相続税の対象になります。
ただし、遺産総額が一定の金額を下回る場合には、相続税はかかりません。
相続税が非課税となるのは、遺産総額が基礎控除額より少ない場合です。
相続税がかかるかどうかを知りたいならば、まずは遺産総額と基礎控除額を計算しましょう。
遺産総額は、不動産の価値や預貯金の金額など亡くなった方のすべての資産を足し合わせて計算します。
また、基礎控除額については、法定相続人の数で金額に差があります。
基礎控除額の計算式は、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)です。
したがって、亡くなった方に配偶者と2人の子どもがいる場合であれば、法定相続人を3人として計算します。
この場合には基礎控除額が4,800万円となりますので、遺産総額が4,800万円以下であれば相続税はかかりません。
遺産総額が基礎控除額よりも多い場合、オーバーした部分について相続税の申告手続きを進める必要があります。
土地を含む相続が発生した場合、相続人全員で遺産をどのようにわけるか話し合う場を設けます。
これは遺産分割協議とよばれるもので、話し合い結果は遺産分割協議書にまとめることが重要です。
遺産分割協議は相続人全員の同意が必要であり、誰かが反対している場合にはその内容は無効になります。
遺産分割協議がまとまったら、不動産の所有者を変更する相続登記を進めます。
相続登記には、申請書のほか亡くなった方の住民票の除票や相続人全員の戸籍謄本などが必要です。
相続登記の手続きは法務局でおこないますが、一定の費用がかかります。
登録免許税として、固定資産税評価額×0.4%に相当する金額を用意しましょう。
また、相続登記の手続きを司法書士へ依頼する場合には、報酬として6万円程度かかるのが一般的です。
法務局への申請は、窓口に必要書類を持参するほか、郵送やオンラインでも手続きができます。
申請が完了した後は、1週間ほどで相続登記が完了し、相続した土地の名義人が変わります。
固定資産税は、毎年送られてくる納税通知書にしたがって納める税金です。
しかし、固定資産税がかからない土地では納税通知書が送られてこないため、知らぬ間に土地を相続している場合があることが注意点です。
土地を相続した自覚がないと、相続税の申告期限を過ぎてしまい、罰金の対象になるリスクがあります。
また、土地の価値が上昇した場合、突然固定資産税が発生するリスクが考えられます。
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相続で土地を所有した場合、相続税の申告期限を過ぎたり突然固定資産税が発生したりするリスクがあります。
こうしたリスクを回避したいならば、不要な土地は処分するのがおすすめです。
課税標準額が30万円未満で固定資産税がかからない土地となっている場合、売り出しても買い手がつかないことがほとんどです。
そのため、お隣に売却を持ちかけるのが、おすすめの土地処分方法です。
処分したい土地が不便な立地にある場合、広く一般に売り出しても買い手がつかず売れ残ってしまいます。
しかし、処分したい土地の隣地所有者であれば、買ってくれる可能性があります。
お隣にとっては、土地を拡張しまとまった広さが手に入るため、駐車場を広くできることなどがメリットです。
資産価値のない土地で隣地所有者にも買ってもらえない場合、相続土地国庫帰属制度を利用するのがおすすめです。
相続土地国庫帰属制度とは2023年4月から始まった新しい制度で、一定の要件を満たす場合に不要な土地を国が引き取ってくれます。
この制度の利用要件として挙げられるのは、土壌汚染や埋設物がないことや権利関係に争いがないことなどです。
このほかにも、相続土地国庫帰属制度の利用には、10年分の管理費用に相当する金額を納める必要があることは注意点です。
国ではなく自治体に不要な土地を引き取ってもらうためには、寄附採納申請が必要です。
寄附採納とは寄附をおこなう契約のことであり、土地を寄附する旨を伝えるとともに自治体から受け入れの意思があって成立します。
この寄附採納申請で自治体に土地を寄附したい場合には、まず自治体の所管部署と協議をおこなう必要があります。
協議の結果寄附採納申請をおこなう場合、登記事項証明書・地積測量図・印鑑証明書などが必要です。
必要書類は自治体ごとに異なりますので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
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固定資産税がかからない土地とは、課税標準額が30万円未満の土地や地方税法で非課税とされている墓地などです。
固定資産税がかからない土地であっても相続税の対象になりますが、実際に相続税がかかるかどうかを知るには基礎控除額を計算する必要があります。
不要な土地を相続した場合には、相続土地国庫帰属制度の利用や寄附採納申請などを検討してみてください。
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