相続した不動産の共有持分とは?できることとトラブルを解説

2024-11-12

相続

相続した不動産の共有持分とは?できることとトラブルを解説

「複数人で土地や建物を引き継ぐのはよくないって本当?」と疑問を持つ方は多いです。
現金や金融商品のように物理的な分配がむずかしい土地や建物は、複数人で所有すると、将来的にトラブルになる可能性があるので注意が必要です。
本記事では、共有持分とはなにかお伝えしたうえで、できることとよくあるトラブルについて解説します。

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相続における共有持分とはなにか

相続における共有持分とはなにか

共有持分とは、不動産を複数名で所有しているうちの所有権の割合を意味します。
たとえば、1つの建物を3人で均等に所有していた場合、各共有持分は3分の1です。
複数人で不動産を所有している状態を共有名義と呼びます。

共有名義になる原因

共有名義になる原因として、資産を出し合って買い取りしたケース・兄弟姉妹で相続したケース・夫婦や親子でローンを組んで共同購入したケースなどです。
住宅ローンを組んだり資産を出し合ったりしたときに、負担割合が均等であれば所有権の割合も均等になります。
一方で、資金調達の割合が異なる場合は、出資した割合に応じて所有権の割合も区分されるので注意が必要です。
たとえば、夫婦で住宅ローンを組んだときの借入割合が70%と30%の場合、所有権も70%と30%になります。
夫婦の間で合意したからといって、出資金額に差があっても所有権の割合を均等にしようとすると、あとから贈与の疑いがかけられる原因になります。
知らぬ間に贈与した扱いになって、高額な贈与税の支払い命令を発生させないためにも、出資割合に応じて所有権の割合を分割するようにしましょう。

共有名義の問題点

共有名義にする最大の問題点は、売却できない可能性がある点です。
土地や建物を売るときには、所有者全員の合意があって、印鑑証明・署名・印鑑などの必要書類も全員分提出しなければなりません。
3人で所有している建物を所有者の一人が独断で売ろうとしても売買契約はできません。
相続した建物に対しては、誰かが住んだり賃貸物件として貸し出したりする予定がなくても、思い入れのある物件だからとの理由で手放すのを渋る方も多いです。
このように、所有者同士で意見の食い違いが発生すると、いつまでも土地や建物を売却できずに、資産価値だけが下がっていく原因になります。
また、共有者の一人が行方不明だったり、親族間での関係性が希薄だったりすると、連絡がつかずに販売活動に移れないケースも少なくありません。
このような流動性と換金性の乏しさが、共有名義の問題点とされています。
同時に、何かしらの理由で放置されている土地や建物は、所有者が死亡したときに共有持分の細分化が懸念されています。
たとえば、もともと3人で所有していた土地や建物を放置していたところ、所有者の一人が死亡したら、配偶者や子どもに相続される仕組みです。
死亡した方に配偶者と子どもが2人いたとすると、生きている2人はそれぞれ3分の1ずつ所有権が残り、残りの3分の1は配偶者と子ども2人に細分化されます。
共有者の数が増えると、さらに管理がむずかしくなるので、共有名義は避けたほうが良いといわれています。

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相続時に不動産の共有持分でできることについて

相続時に不動産の共有持分でできることについて

不動産の共有持分でできることは、保存行為・管理行為・処分行為の権利を持ちます。
保存行為とは、共有者からの合意なしの独断でできる行為であり、不動産の状態を維持するためにやる行為です。
修繕・修理・不法占拠している方への明渡請求・法定相続登記・地役権設定登記請求・無権利者名義の抹消登記請求などが対象です。

保存行為

保存行為は、ほかの共有者にとっても、利益になるものばかりなので、合意なしの独断でおこなっても問題ないとされています。
相続で土地や建物を取得した場合、現在の法律では亡くなった方から遺産を引き継ぐ方に登記変更をしなければなりません。
このときに「まずは手続きだけ済ませよう」と、とりあえず共有名義で登記するケースがありますが、あとから問題になるケースが多いので慎重に話し合いをしましょう。
時間をかけて遺産分割協議をして、不動産を活用するのか処分するのか決めてから、単独名義で登記変更をするのが賢明です。
話し合いがまとまらなくて、名義変更を放棄してしまうと、ペナルティの対象になるので注意が必要です。
また、保存行為だと思っていたら、実は単独でやってはいけない管理行為や処分行為に該当し、ほかの所有者の権利を侵害してしまう恐れがあります。
もしも、保存行為に該当するのか不安になったら、専門家に相談しましょう。

管理行為

管理行為とは、土地や建物を利用したり改良したりするもので、共有持分割合の過半数以上の合意が得られたときのみ認められる行為です。
共有者の過半数ではなく共有持分割合の過半数以上です。
つまり所有権の割合を50%以上持っている方がいれば、その方が独断で判断できるケースもあるといえます。
共有名義の土地や建物を第三者に貸すと決めたときの賃貸借契約の締結・解除・取り消しなどが該当します。

処分行為

処分行為とは、共有名義の土地や建物の形や性質に変更を加えるもので、共有者全員の合意がなければ実施できません。
建て替え・リフォーム・解体・売却など、財産そのものに何かしらの手を加えたり、権利関係に影響が出たりする場合は、すべて該当します。
所有権の割合を多く持っている方が主張しても、共有名義に該当する1人でも拒否している限りは、実行できません。

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不動産の共有で起こりうる相続トラブルについて

不動産の共有で起こりうる相続トラブルについて

不動産を共有すると起こりうるトラブルとして、メガ共有のリスク・連絡が取れない・費用負担の偏りが挙げられます。
まず、相続した不動産を複数人で所有してしまうと、活用方法や処分方法に関する意見がまとまらずに放置されて、メガ共有状態になるリスクがあります。

メガ共有

メガ共有とは、登記されずに放置された不動産の所有者が数十人・数百人単位に膨れ上がっている状態です。
数百人単位に膨れ上がった共有名義の土地や建物の処分は、ほぼ不可能でしょう。
なぜなら、共有者全員の指名・住所の特定をするだけで膨大な時間がかかるうえ、活用方法や処分方法に関する意見を一致させるのは大きな負担になるからです。
メガ共有状態の土地や建物がある場合、自分たちで対処するのはハードルが高いので、専門家に相談するのが良いでしょう。

連絡が取れない

続いて、土地や建物を安易に共有名義で登記すると、ほかの所有者と連絡が取れずに放置せざるおえなくなるリスクがあります。
近年では親族間の関係性も希薄化されているため、遠くに住んでいる兄弟姉妹などで遺産を引き継ぐのであれば、代表者による単独登記がおすすめです。
代表者が販売活動をして現金化できれば、スムーズに均等な遺産の分割もできます。
最後に、所有者には土地や建物の管理責任が生じるものの、固定資産税や管理費の請求書は代表者に送付されます。

費用負担の偏り

ほかの所有者たちが協力的でなければ、代表者一人に金銭的な負担が偏り、トラブルになる可能性が高いです。
このようなトラブルを避けるためにも、まずは特別な事情がない限りは、単独名義での登記がおすすめです。
もしも、共有名義の土地や建物に関する活用方法や処分方法で意見が割れたときは、共有状態を解消するための共有物分割請求訴訟をおこないましょう。
家庭裁判所に申請を出せば、合理的な制定を仰げるので、スムーズにトラブルを解決できます。

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まとめ

共有持分とは、複数人で所有している不動産の所有割合を意味します。
所有権を持つ方たちは、保存行為・管理行為・処分行為の権利がありますが、内容によってはほかの共有者の合意が必要です。
共有名義では、多くのトラブルを引き起こす原因にもなりうるので、可能であれば単独名義で登記をして売却などを検討しましょう。

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