2024-12-03
相続や転勤をきっかけとして、住む予定のない住宅を所有することになる方がいらっしゃいます。
こうした住宅は空き家となり、住んでいた頃よりも急速に劣化が進むため注意が必要です。
そこで今回は、空き家が劣化する原因と劣化によるデメリット、劣化を防ぐ管理のポイントを解説します。
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空き家では、思いのほか早く劣化が進みます。
なぜ空き家では急速に劣化が進むのか、その原因をチェックして空き家の現状を把握しましょう。
誰も住まない空き家では、ドアと窓が長期間開放されない状況になります。
空き家の劣化が進みやすい原因は、この換気不足にあります。
長い間、換気がされていない空き家は、室内の空気の動きがないことから、カビと湿気が発生しやすい状況です。
こうした換気不足を原因とする室内のカビ・湿気が、住宅の木材を腐食し劣化が急速に進みます。
誰かが住んでいる住宅であれば、毎日の窓とドアの開け閉めによって、適度な換気がされるものです。
しかし、誰も住まない空き家については、訪れる方がいない限りは換気がされないのが特徴です。
壁のように目に見える部分だけでなく、給排水管とガス管も劣化が進みやすい場所です。
給排水管とは、キッチンや浴室などに水を送り込む給水管と、使った水を下水道に流す排水管のことです。
給排水管は、どちらも長期間使用されていないと、内部が傷みやすいことに特徴があります。
長期間通水されていない給排水管の内部には、サビやヘドロなどの異物が固着し、結果として管を破損させてしまう場合があります。
また、配水管には外からの悪臭や害虫の侵入を防ぐためのトラップがありますが、このトラップ内の水が蒸発し本来の役割を果たせないことも劣化の原因です。
もちろん、ガス管も給排水管と同様に、長期間使用されないと傷みが発生しやすくなります。
誰かが住んでいる家であれば、雨漏りが発生してもすぐに発見し修繕ができます。
しかし、誰も住まない空き家だと、雨漏りが発見されず修繕もおこなわれません。
そのため、雨水が室内に侵入し続けることになり、結果として住宅の劣化を早めてしまいます。
こうした雨漏りの被害は、シロアリの被害を増大させる原因にもなります。
シロアリが侵入している空き家では、発見と対処が遅れるとともに、雨漏りによる浸食被害が建物の劣化を早めることが特徴です。
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空き家は換気不足や雨漏りなどが原因で、急速に劣化が進みます。
しかし、住む予定がなければ、劣化してもかまわないと考える方がいらっしゃるかもしれません。
空き家が劣化するデメリットをチェックして、どのようなトラブルが発生するのかを把握しましょう。
現在は空き家状態だとしても、将来的に自分が住む予定がある場合、住める状態ではなくなることがデメリットです。
放置されていた空き家に住もうと考えた場合、住める状態に戻すためには多額のコストがかかります。
劣化が進んだ空き家に必要な修繕として挙げられるのは、壁の補修、床の張り替え、給排水管とガス管の交換です。
また、カビの除去とともに、庭のお手入れにもコストがかかります。
部分的な修繕では間に合わない場合には、まとまった予算を組んで、大規模なリフォームを検討しなくてはならないかもしれません。
このほかにも、見た目はひととおり修繕できたとしても、カビ臭さや壁から砂が出てくるなどのトラブルに悩まされやすいことが、空き家に住む場合のデメリットです。
将来的に住む予定がない空き家であれば、早めに売却するのがおすすめです。
しかし、売却タイミングを逃して劣化が進んでしまうと、売却しにくくなります。
外から見ても分かるほど劣化が進んでいる空き家を売り出しても、なかなか買い手は付きません。
外観が比較的きれいだった場合でも、放置されていた事実が買い手に伝わると、売買契約に応じてもらえる確率は下がります。
自分で住む予定がなく売却もしたくない場合、賃貸物件として貸し出すことが活用方法です。
賃貸物件として活用できれば、毎月の家賃収入が見込めることなどから、魅力的に感じられるでしょう。
しかし、空き家状態が長く続いた住宅の場合には、賃貸物件として貸し出すまでに修繕やリフォームが必要になります。
こうしたコストが高額になると、毎月の家賃収入を得たとしても赤字になることが考えられます。
倒壊の危険があるほど劣化が進んだ空き家は、特定空家に指定されてしまいます。
特定空家に指定された場合、自治体から修繕や撤去を求める命令が出されます。
これに従い、対処をするならばコストがかかり、命令に従わないと強制代執行となることもデメリットです。
強制代執行により空き家が撤去された場合であっても、その費用は所有者に請求されるのが一般的です。
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劣化が進んだ空き家には、活用しにくく特定空家に指定されるなどのデメリットがあります。
こうしたデメリットを避けるためにも、定期的な管理をおこなうことが大切です。
空き家の劣化を防ぐ管理のポイントとなるのが、こまめな換気です。
定期的に空き家を訪れたうえで、家中の窓を開放し、一定時間空気の入れ替えをおこないましょう。
こまめな換気ができていれば、木材を腐食させるほどのカビの発生を防げます。
建物に使われている木材や給排水管に残った水分が室内に湿気として残留する場合があるため、こうした湿気を外に逃がして新鮮な空気を取り込むことが大切です。
長期間使用していない給排水管の内部には、サビや異物が固まって付着してしまいます。
こうした給排水管の傷みが進むと、給水と排水がうまくおこなえず、給排水管の交換が必要になります。
給排水管の機能を維持するためには、こまめな通水が大切です。
定期的に空き家を訪れて水道を使用すれば、給排水管のなかにたまったサビや異物を洗い流せます。
高圧洗浄も給排水管の傷みを防ぐ方法ですが、給排水管自体が古い場合には、高圧洗浄により破損する可能性があることは注意点です。
空き家では、壁・床・排水管など劣化した部分から害虫が侵入しやすくなります。
小さな害虫であれば、空き家の劣化にそれほど影響を与えませんが、シロアリやネズミなどが発生してしまうと、空き家は急速に劣化します。
そのため、換気と通水のために訪問した場合には、害虫駆除もあわせておこなっておきたいものです。
害虫がまだ発生していない場合であれば、衛生的な状態を維持するために、こまめな掃除を心がけましょう。
一方で、害虫や害獣の存在を裏付ける排泄物などを見つけたら、駆除剤・忌避剤の散布がおすすめです。
ただし、シロアリについては被害が大きくなりやすいことから、空き家を所有した段階で、あらかじめ対策工事をおこなうことも考えましょう。
空き家の近くに住んでいるなら、定期的に訪れて自分で管理ができます。
しかし、遠方に住んでいる場合には、定期的に訪問することが困難になります。
このような場合には、プロの業者が提供している空き家管理サービスを利用することを検討してみましょう。
業者によってサービス内容は異なるものの、毎月1回程度訪問し、換気・通水・清掃とともに、作業報告をしてもらえます。
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空き家の劣化が進みやすいのは、換気不足・給排水管の傷み・雨漏りなどが原因です。
空き家が劣化してしまうと、売却・賃貸物件などでの活用がしにくくなり、特定空家に指定されるデメリットがあります。
定期的な訪問とプロへの管理依頼など、劣化を防ぐ管理についても考えてみましょう。
資格:宅地建物取引士
高く早く売るというのを基本に売主様がトラブルに巻き込まれないよう細心の注意を払って納得のご売却ができる豊富な経験があります。また、しつこい営業は決して致しません。礼節とマナーをもって丁寧にフォローさせていただきます。
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