2024-10-15
親などの死亡により相続する遺産が不動産である場合、税金の納付により経済的な負担が発生することがあります。
相続によって、具体的にどのような税金が発生するのかはもちろんのこと、具体的な金額について把握することが大切です。
そこで今回は、不動産の相続で発生する税金の種類と計算方法、利用できる税金の控除について解説します。
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不動産を相続した場合に発生する税金は、相続税と登録免許税の2種類です。
その2種類の税金のポイントをそれぞれチェックして、不動産相続に備えましょう。
不動産相続にかかる税金の1つ目に挙げられるのが、相続税です。
相続税とは、相続した財産に対して課せられる税金ですが、一定の要件を満たさない場合には納付の必要がありません。
相続税には、基礎控除額が定められていて、相続した財産の価格がこの金額を下回れば相続税の納付は不要です。
また、相続税を支払う必要があるのは、亡くなった方の配偶者や子どもなどの相続人です。
くわえて、相続人には順位があり、この順位によってもらえる遺産の割合が変わり、それに伴って支払う相続税も違います。
相続税の納付方法は、一括での納付が原則です。
相続が始まってから10か月以内に納付しなければなりませんが、納付にあたっては相続人が自分で相続税の金額を計算し納付書を作成する必要があります。
金融機関の窓口で現金納付する以外にも、国税クレジットカード支払いサイトを利用してカード払いも可能です。
ただし、インターネットでのカード決済では、限度額があることと領収書が発行されないことが注意点です。
不動産相続にともない発生する税金の2つ目が、登録免許税です。
登録免許税とは、不動産の名義変更である相続登記にかかる税金を指します。
登録免許税は、相続した不動産はもちろんのこと、船舶や航空機に対しても課せられる税金です。
このほかにも、登記が必要な特許・免許・指定といったものに対しても登録免許税が課せられます。
登録免許税の納付方法は、現金納付のほか、収入印紙での支払いが可能です。
現金納付を利用する場合には、登録免許税の納付書に記入のうえ窓口で支払います。
受け取った領収証書は登記の申請書に貼付し、登記所に提出をおこない手続きは完了です。
一方で、収入印紙で納付をおこなうならば、法務局・郵便局・コンビニエンスストアなどで収入印紙を購入します。
収入印紙は登録免許税納付用の台紙に貼付のうえ、納付してください。
ただし、原則として収入印紙での登録免許税の納付は3万円以下とされていますので、事前に法務局に相談するのがおすすめです。
このほかにも、相続税と同様にクレジットカードを利用したオンライン決済も可能です。
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不動産を相続した場合には、相続税と登録免許税の2種類の税金がかかりますが、実際に支払いの必要がないケースもあります。
それぞれの税金の具体的な計算方法もチェックして、納税金額や納税の必要性の有無を確認しましょう。
不動産を相続した場合、相続税の計算は不動産の価値の計算から始まります。
不動産は預貯金とは異なり、価格がわかりにくいものの、評価額からその価格を算出するのが一般的です。
相続した不動産の価値は相続税評価額とよばれ、具体的な算出方法は路線価方式と倍率方式の2種類となります。
1つ目の路線価方式は、国税庁が定める路線価を基準に相続した不動産の価値を決めるものです。
2つ目の倍率方式は、固定資産税の評価額に一定の数値をかけて不動産の価値を求めるもので、基準となる固定資産税の評価額は納税者に届く、固定資産税納税通知書でチェックできます。
不動産の価格が判明したら、その遺産総額から基礎控除額を差し引きます。
基礎控除額を差し引いて残った金額が、課税対象となる課税遺産総額です。
相続税の基礎控除額は、3,000万円+600万円×相続人数で求められます。
基礎控除額を課税遺産総額から差し引いた残りの金額が確定すれば、全員分の相続税の総額がわかりますので、これを各相続人で分配して個人の相続税の計算は完了です。
登録免許税の計算方法は、固定資産税評価額×0.4%です。
計算のなかで使う固定資産税評価額は、1,000円未満を切り捨てることが注意点となります。
また、登録免許税を納付する場合は、100円未満を切り捨ててください。
登録免許税の計算に用いる固定資産税評価額は常に同じ金額ではなく、3年に1回見直しがおこなわれています。
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不動産を相続した後には、納税のために多額の現金が必要になることがあります。
状況によっては納税が難しくなることもあるため、節税につながる控除をチェックしておくことがおすすめです。
亡くなった方と相続人が夫婦である場合、相続税の配偶者控除が利用できます。
配偶者控除を利用すれば、課税対象金額が1億6,000万円までは相続税が課税されません。
また、1億6,000万円以上の遺産を相続した場合であっても、配偶者の法定相続分までは無課税です。
相続人が配偶者と子どもの場合は配偶者の法定相続分は2分の1、配偶者と親が相続人であれば配偶者の法定相続分は3分の2、配偶者と兄弟姉妹が相続人だと4分の3が配偶者の法定相続分です。
相次相続控除とは、10年以内に相次相続が起きた場合に利用できる控除です。
相次相続とは、短期間で相続が相次ぐことを指し、祖父母が死亡してすぐに両親が死亡するといったケースが該当します。
こうした相次相続では、実質同じ財産に対して複数回相続税が課せられることから、負担軽減を目的として控除の特例が設けられました。
死亡した祖父から父への相続と、死亡した父から子どもへの相続が10年以内の相次相続に該当する場合、最初の相続における相続税のうち一部が次の相続の相続税から控除されます。
この相次相続においては、2回の相続の間隔が短ければ短いほど、控除される金額が大きくなることがポイントです。
住宅資金贈与制度では、両親や祖父母といった直系尊属から不動産購入のための資金を贈与された場合、非課税限度額までは贈与税がかかりません。
相続した不動産に対する直接的な相続税の節税ではないものの、将来的な相続税の負担を減らして、不動産購入の資金を子どもや孫に残したい場合には使える節税対策といえます。
非課税限度額は、原則として500万円ですが、省エネ等住宅であれば1,000万円までが非課税です。
購入する住宅に条件があるだけでなく、贈与を受ける方についても一定の条件が定められています。
具体的な条件としては、贈与を受けた年の元日時点で18歳以上であることや、住宅用の家屋を所有することなどが挙げられます。
この住宅資金贈与制度は新築住宅だけでなく、中古住宅や住宅の増改築でも利用可能です。
いずれの場合でも、使用状況や床面積などに条件がありますので、利用を考えているならば、対象の条件を満たすかチェックしてみましょう。
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不動産の相続では、相続税と登録免許税の2種類の税金がかかります。
不動産における相続税の計算では基礎控除額を差し引くことがポイントで、登録免許税は端数を切り捨てて計算することがポイントです。
配偶者控除や相次相続控除などの不動産相続で使える控除もチェックして、相続に備えてみてください。
資格:宅地建物取引士
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