相続した空き家の管理方法は?放置するデメリットと解決策を解説

2024-10-29

空き家

相続した空き家の管理方法は?放置するデメリットと解決策を解説

「実家を相続したけど活用する予定がないときはどうするべき?」と悩む方は多いです。
土地や建物は住んだり貸したりしなくても、所有しているだけで税金や管理費が発生するので、状況に応じて適切な対応をとるべきです。
本記事では、相続した空き家の管理方法をお伝えしたうえで、放置するデメリットと解決策について解説します。

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相続した空き家を放置しているときの管理方法

相続した空き家を放置しているときの管理方法

総務省の調査によると、日本の空き家数は1983年に330万戸だったのに対して、2018年には846万戸まで大幅に増加しており、対策をしなければ今後も増え続けると予測されています。
さらに、国土交通省の調査では、52.3%が相続によって取得した土地や建物が放置されており、さまざまな問題の元凶となっているとわかっています。
実家や親族の所有していた不動産を相続するときは、放置しないためにどのような管理をしなければならないのか、あらかじめ理解しておきましょう。
なぜなら、人の出入りがない建物は急速に劣化が進んでしまい、一度劣化した建物は大規模修繕をしない限り元には戻らないからです。
近隣トラブルや災害時の倒壊リスクを回避するためにも、換気・通水・雨漏り・掃除をするようにしてください。

誰も住んでいない物件で劣化・老朽化が進む原因:湿気

誰も住んでいない物件で劣化・老朽化が進む原因の一つが湿気です。
湿気が溜まると家が腐ってしまうので、定期的に換気をして溜まった湿気を逃すために、定期的に空気の入れ替え作業が必要です。
窓を開ける作業はもちろん。靴箱・押入れ・クローゼットなど小さなポイントで湿気が溜まりやすい部分も徹底的に管理するようにしてください。
水道を使わずに放置する期間が長くなると水道管の錆が発生し、錆が原因で水道管の破裂を引き起こします。
また、水道管に残っていた水滴などが蒸発して乾くと、溜まった空気が下水管を伝って家の中に流れ込んで悪臭につながります。

誰も住んでいない物件で劣化・老朽化が進む原因:水道管の通水が無い

誰も使っていない家に行ったときに下水のような悪臭がしたら、水道管が原因の可能性が高いです。
悪臭につられて、ネズミや害虫が侵入するケースもあるので、定期的に通水をして生き物の侵入経路にならないようにしながら、悪臭を防止しましょう。
最低でも1か月に1回のペースで1分間ほど水を出した状態で通水をして、水の出方・錆が混ざった赤茶色の水がないかを確認します。

誰も住んでいない物件で劣化・老朽化が進む原因:雨漏り

誰も住んでいない家で雨漏りが起きた場合には、事態に気づくのが遅くなる可能性があります。
雨漏りを放置すると、壁・畳・屋根にカビが発生して、柱や木造部分を腐敗させる原因となり、売却時に資産価値が暴落するため注意が必要です。
一度雨漏りを起こしていても、晴れた日に確認すると気付けない可能性もあるので、クローゼットや押し入れにカビが発生していたら雨漏りを疑いましょう。

誰も住んでいない物件で劣化・老朽化が進む原因:雑草

誰も住んでいない家は、建物自体を気にかける方は多いですが、庭の手入れも重要です。
庭の手入れを放置して雑草が生い茂ると、見た目が悪くなったり、害虫が増えたりして、近隣住民とのトラブルに発展する可能性があるからです。
定期的に庭の手入れができない場合は、除草シート・除草剤などを活用するなど工夫しましょう。

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相続した空き家を放置するデメリット

相続した空き家を放置するデメリット

相続した空き家を放置するデメリットとして、資産価値の低下・所有者責任が発生・特定空家に指定される可能性が挙げられます。

資産価値の低下

まず、相続した建物を放置すると密閉状態が続いてしまい、知らぬ間に資産価値が低下する可能性が高いです。
たとえば、フローリングのひび割れや畳の腐敗、ドアの歪みなどがあげられます。
また、コーキングといって、窓や外壁の目地に重鎮されているゴム上の仕上げ部分は、定期的に取り替えなければ経年劣化します。
そして、ネズミが配線をかじって電気設備の故障が起こると、管理者がいない間に火災が発生して、近隣住民の自宅まで被害が広がるリスクもあるので注意が必要です。
このような事象を引き起こさないためにも、定期的に管理をして保守点検をしなければなりません。

所有者責任が発生

続いて、空き家を含む土地や建物の所有者には所有者責任を全うする義務があります。
民法第717条では、建物の設置や保管に問題があって崩壊などが発生した場合、所有者自身に過失がなくても、責任を負う工作物責任が課せられます。
ブロック塀の崩壊・雨どいが飛んで、他人を怪我させたなどのトラブルが発生したとき、わざとでなくても所有者が賠償責任等を問われるため注意が必要です。
近年は地震や台風などで建物の崩壊トラブルが増えているので、築年数の古い建物を相続したときは、他人に危害を加えないためにも適切な管理が求められます。

特定空家に指定される

最後に、空き家の状態で放置すると特定空家に指定される可能性があります。
日本政府は空き家問題を深刻に捉えており、2014年5月に空き家等対策の促進に関する特別措置法を発足し、対象物件はペナルティが課せられるようになりました。
誰も住んでいない家を放置すると、害虫の発生や不法投棄、倒壊リスクなどの社会問題につながる可能性があります。
指定対象は、保安上危険な状態にある建物や著しく衛生上有害になる恐れのある建物などです。
所有者に問い合わせをしても改善されなければ、行政代執行による強制取り壊しがおこなわれますが、解体費用は所有者に請求されます。
支払いができなければ、土地が公売によって売却されるので、最終的に土地を失う事態に陥るため、適切に管理をしなければなりません。

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相続した空き家を放置しないための解決策

相続した空き家を放置しないための解決策

相続した空き家を放置しないための解決策は、解体・譲渡・売却の3つの方法があります。

解体

まず、放火・空き巣・小動物の侵入などを防ぐためにも、築年数の古い建物で誰かが住む予定がなければ、建物を取り壊して更地にするのがおすすめです。
更地にしたあとも、雑草や樹木の管理は引き続きおこなわなければならないものの、建物を維持するよりは管理の負担が少ないからです。
建物タイプによって解体費用は異なりますが、自治体によっては助成金や補助金などがもらえる可能性があるので、経済的な負担も軽減できます。
ただし、建物が建っていない更地は非住宅用地として扱われるので、固定資産税が3?4倍ほど高くなる可能性があるため、あらかじめ確認しておきましょう。

譲渡

続いて、所有者が住む予定がなくて賃貸物件としての運用も現実的でないのであれば、固定資産税や管理費が負担になるので、親族や近隣住人への譲渡を検討してみてください。
譲渡の場合は、無償での取引になるケースが多いので、利益は期待できません。
ただし、築年数の古い建物や購入希望者が現れにくい土地でも、無償譲渡で受け取ってくれる方が現れれば、管理責任や税金の支払い義務から解放されます。

売却

最後に、所有している建物に資産価値が残っていれば、売却を検討してみてください。
購入希望者が現れれば、譲渡利益がでる可能性があるので、メリットが大きいでしょう。
もしも、個人の購入希望者が見つからなければ、専門業者に買い取ってもらう方法もあります。

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まとめ

相続した空き家を放置すると、劣化が進んで近隣住人とのトラブルや倒壊リスクの問題が発生します。
所有者は定期的に建物や土地の状態を確認して、必要に応じて掃除や修繕をしなければなりませんが、遠方に住んでいると負担に感じる方も多いです。
将来的に住んだり貸したりする予定がなければ、解体や売却などで負担を減らす工夫をしましょう。


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早川和孝

資格:宅地建物取引士

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